ステートメント/商品解説

2012年より街中のエアコンの室外機を撮影しアーカイブするシリーズ。
エアコンの室外機に惹かれ始めて10年以上経ちました。
撮影を初めた頃は彼らの機能的な形そのものに惹かれていました。
熱交換を行うラジエーターや大きなファン、それらを雨風から守る無骨な筐体など、家電的な意匠のほどこされた室内機とは打って変わって、
極めて実用的なその姿に、現代における「用の美」を感じ、惹かれ、写真に収めていました。
何年か続けていくうちに、室外機そのものだけでなく、室外機が設置されている場所、室外機空間の景観に類型学（タイポロジー）的おもしろさが浮かび上がってきました。
路上の園芸の一部として軒下のドレスアップを担うもの、傘立ての用をなすもの、施工工事そのものの細やかさ…人々の暮らしに寄り添って発生する、プリミティブな建築活動の数々。
私はそれに芸術的な発想の原点を見ました。