部屋に残った「忙しさの余韻」を消す

前回は、アートを「時間のスイッチ」として使うお話をしました。青い光や陰影が、私たちの脳を静止した時間へと切り替えてくれる、というご提案でした。

12月も後半。大掃除を終えて、目に見える場所はきれいになったはずなのに、なぜだか心が落ち着かない。そんなことはありませんか? もしかすると、せっかくの静寂を、空気の中に漂う「忙しさの余韻」が邪魔しているのかもしれません。

今回は、その空気の質感を上書きし、自分だけの穏やかな世界を完成させるための、あと一つだけ欠けていた要素についてお話しします。

「映画に音楽がつくように」空間を完成させる

アートは目で見ることによって思考を刺激しますが、香りは私たちの「本能」に直接届きます。

お気に入りの絵画の前で、ふさわしい香りが漂ったとき、何が起きるのか。それは、「平面だった絵が、立体的な世界に立ち上がる」ような体験です。

映画を想像してみてください。美しい映像に、完璧な音楽が重なった瞬間、私たちはスクリーンの中の世界に一気に吸い込まれます。 アートと香りも、それに似ている気がします。視覚と嗅覚がそっと重なり合ったとき、アートは壁の飾りであることをやめ、その景色に心地よく溶け込むための入り口になってくれる。 この感覚の調和こそが、部屋に残った忙しさを消し去り、本当の静寂を連れてきてくれる鍵だと考えています。

日常の「質」を、香りでチューニングする

アートと香りのペアリングは、日常を自分好みのトーンに整えてくれる、とても身近な楽しみです。

たとえば、ただ落ち着き、気を休めたいとき。 夜、照明を落として眺める木彫や、穏やかな抽象画。そこに大地を思わせる深い木の香りを添えてみてください。部屋の四隅に溜まった緊張がほどけ、自分の体が椅子に深く沈んでいくような、あの安心感に包まれます。

あるいは、穏やかに読書に集中したいとき。 凛とした作品の前に、清涼感のある香りをひとつ。周囲の雑音がすっと遠のき、本の世界と自分だけが光の中に浮かび上がっているような、濃密な時間。

アートと香りが共鳴することで、家の中は「やらなければならないことに追われる場所」から、「自分を慈しむための場所」へと塗り替えられていくのです。

一年の終わりに、「大地の呼吸」を待つ

実は私自身、いま到着を心待ちにしているものがあります。一年の終わりにふさわしい、「大地の呼吸」を連れてきてくれる道具です。

それは、遥か遠い時間をかけて形づくられた「石」と、厳しい自然の中で育った「木」の香りを組み合わせたもの。 目に見えるアートが「今」を表現するなら、この道具はもっと遠い「時間の記憶」を運んできてくれる予感がしています。

その道具が届き、私自身のリビングにどんな新しい静寂が訪れたのか。 また来年のブログで、そのエピソードを詳しくお話しできればと思います。

新しい自分を、澄んだ空気の中で迎える

美しいものを見る。 そして、深い呼吸とともに、心地よい空気を吸い込む。

このシンプルなセットが揃ったとき、心には「余白」が生まれ、新しい年を健やかに迎える準備が整うのだと思います。

Blue Coverでは、ただ作品を販売するだけでなく、こうした「自分の心に豊かさを取り戻す体験」そのものを、皆さまの暮らしにお届けしたいと考えています。

2025年の締めくくり。あなたならどんな香りで、その余白を満たしますか?

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