明るい絵ほど、明るい色だけでできている。

そう思われがちですが、この一枚は違います。

弾けるような黄や青や白の下には、桜島の火山灰を混ぜた、漆黒の下地が塗り込められています。

今回ご紹介するのは、《コズミック・ラヴァーズA》。松田靜心さんの絵画です。

黄・黄緑・青・白・オレンジの色が、宇宙の星々のように飛び散る、正方形の一枚です。

黒があるから、色は光る

西洋絵画では、何世紀も前から、画家は明るい色を塗る前に、暗い下地を用意してきました。

暗い地の上に乗せた色は、光と強さを、より深く反射するからです。

松田靜心さんは、その下地に、故郷・鹿児島の桜島の火山灰を使います。

黒い火山灰を絵具に混ぜ、画面の全面を塗りつくすことから、制作は始まります。

この技法に、海の向こうから目を留めた人がいます。

パリで発行される美術誌『République des Arts』に、松田靜心さんの作品評を寄せた、           

フランソワーズ・イカールさんです。フランスの美術振興協会ARTECの会長を務め、

2021年には芸術文化勲章(Ordre des Arts et des Lettres)を受章した批評家。

そのイカールさんが、黒い火山灰を第一層に置くことで、直接色を塗るよりも豊かな色彩が生まれる、

と書いています。

黒い火山灰を第一層に置くことで、直接色を塗るよりも豊かな色彩が生まれる、と。

黒は、すべての色を抱いている

松田靜心さん自身は、こう語っています。

「黒はすべての色を吸収する、つまりすべて色彩を内包しています」。

私たちは、明るさは光から来るものだと思っています。

けれど、この絵の輝きは、その奥にある闇に、静かに支えられています。

見えない下地が、見える色を、いちばん深いところで支えている。

画面のいちばん明るい色は、その奥にある漆黒の下地が支えています。

暮らしの中でも、目に見える華やかさの下に、それを静かに支えているものがあります。

そんなことを、この一枚は思い出させてくれます。

ひとつお知らせします。松田さんも参加しているLa recolte 展(4人展)が10月17日まで、

東日本橋にあるK’s Galleryで開催されています。よろしければお訪ねください。


[作品情報]

《コズミック・ラヴァーズA》 松田靜心

カテゴリー:絵画(オリジナル)

作品サイズ:タテ30×ヨコ30cm

素材・技法:キャンバス、ミクスドメディア(桜島の火山灰・アクリル・アルキドテンペラ)

価格:66,000円(税込)/配送料:3,300円(税込・全国一律)

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